
私たちの体に不可欠な「硫黄」って、どこから来るの?

私たちの体にとって、実はとっても大切な成分である「硫黄(いおう)」。でも、「硫黄って一体どうやって体の中で作られているんだろう?」って疑問に思ったことはありませんか? 今回は、そんな硫黄のヒミツに迫ってみましょう!
硫黄は「食べる」ことで作られる!
意外に思うかもしれませんが、人間を含む動物は、植物のように土の中の硫黄(無機硫黄化合物)を直接取り込んで利用することはほとんどできません。じゃあ、どうやって体に取り込んでいるかというと…答えは「食事」なんです!
主に、メチオニンとシステインという2つの「含硫アミノ酸」として、食事から硫黄を摂取しています。これらは、お肉、お魚、卵、乳製品、豆類、ナッツ類などに豊富に含まれていますよ。
食べた硫黄はどうなるの?
食事から摂り入れた含硫アミノ酸は、体の中でいろいろな大切な硫黄化合物に姿を変えて、私たちの健康をサポートしてくれます。
- タンパク質の材料に!
まずは、体のあらゆる部分を作るタンパク質の材料として使われます。 - 強力な味方「グルタチオン」
メチオニンから作られるシステインは、強力な抗酸化物質である「グルタチオン」の材料になります。グルタチオンは、体のサビつきを防いだり、解毒作用に関わったりと、私たちの体を守る上で欠かせない存在です。 - 最近注目の「超硫黄分子」
システインからは、最近特に注目されている「超硫黄分子」も作られます。これらは、炎症を抑えたり、エネルギー代謝に関わったりと、様々な生理機能を持っていることが分かってきています。 - 他にもいっぱい!
タウリン、コエンザイムA、ビタミンB1(チアミン)、ビオチンなど、私たちの体に不可欠な様々な硫黄含有生体分子の合成にも、含硫アミノ酸は関わっています。 - ガス状シグナル分子「硫化水素」も!
体の中では、「硫化水素(H2S)」というガスも作られています。これは、血管を広げたり、炎症を抑えたり、神経を保護したりと、多様な生理活性を持つことが分かっていて、「ガス状シグナル分子」として注目されているんですよ。
まとめ:食事はやっぱり大切!
このように、私たちの体に必要な硫黄は、主に食事から摂り入れた含硫アミノ酸が材料となって、体内で様々な形に「生成」され、利用されているんです。植物のように無機硫黄を直接利用できない私たちにとって、日々の食事からバランス良く含硫アミノ酸を摂ることが、とっても重要なんですね!
硫黄は、私たちの健康維持に欠かせない成分です。ぜひ、今日から意識して、含硫アミノ酸が豊富な食材を食卓に取り入れてみてくださいね!
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